一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会
介護保険と福祉用具
介護保険は、介護を必要とする状態となっても、自立した生活が送れるよう、高齢者の介護を国民全体で支える制度です。また、介護を必要としない方に対しても、従来の生活を続けられるように、介護予防を通じて支援する仕組みでもあります。介護保険は、40歳以上の国民が納める保険料と税金で運営されており、その運営主体(保険者)は、市町村・東京23区です。サービスを受けられるのは、65歳以上の方と、40〜64歳で特定の疾病により介護が必要と認められた方です。

介護サービス利用までの流れ

市区町村に申請し、要介護・要支援の認定を受けると介護保険サービスを受けることができます。
要介護(要支援)認定を受けた方は、介護支援専門員(ケアマネジャー)等の助言を受けながら、どのような介護サービスが必要か相談し、一緒に介護(介護予防)サービス計画(ケアプラン)を作ってもらうことができます。(ご自分で作成することもできます。)
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介護サービスの種類

1.居宅サービス

(1)介護の相談・ケアプランの作成
居宅介護支援(ケアマネジメント) 利用者の状況に応じた介護サービスを利用するため、ケアマネジャーが、ケアプランを作成します。また、そのケアプランに基づいて適切なサービスが提供されるよう、事業者や関係機関との連絡・調整を行います。
(2)訪問サービス

訪問介護

訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの介護や、掃除・洗濯・買い物・調理などの生活の支援を行います。
訪問入浴介護 看護職員と介護職員が利用者の自宅を訪問し、持参した浴槽で、入浴の介護を行います。
訪問看護 看護師などが自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて、療養上の世話や診療の補助を行います。
訪問リハビリテーション 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが自宅を訪問し、リハビリテーションを行います。
居宅療養管理指導 医師、歯科医師、薬剤師などが自宅を訪問して、療養上の管理や指導を行います。
(3)通所サービス
通所介護(デイサービス) デイサービスセンターなどの施設に通い、日常生活の支援や、機能訓練などのサービスを日帰りで受けます。
通所リハビリテーション 施設に通い、理学療法士や作業療法士などの専門職からリハビリを受けます。
(4)短期入所サービス
短期入所生活介護
(ショートステイ)
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などに短期間入所して、日常生活上の支援や、機能訓練などを受けることができます。
短期入所療養介護 介護老人保健施設や医療施設に短期間入所して、日常生活上の支援や、機能訓練などを受けることができます。
(5)その他サービス
特定施設入居者生活介護 有料老人ホームや軽費老人ホームなどが、日常生活上の支援や、機能訓練などを提供します。
福祉用具貸与 車いすや介護ベッドなど、保険適用の対象となる福祉用具をレンタルできます。
特定福祉用具販売 シャワーチェアやポータブルトイレなど、入浴や排せつをサポートする福祉用具を購入できます。
住宅改修 手すりの取り付けや段差解消など、住宅の改修を行います。

2.地域密着型サービス

地域密着型サービス
夜間対応型訪問介護 夜間帯に、訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの介護や、掃除・洗濯・買い物・調理などの生活の支援を行います。「定期巡回訪問」または「通報しての随時訪問」があります。
認知症対応型通所介護 認知症に特化した通所介護(デイサービス)です。
小規模多機能型居宅介護 施設への「通い」を中心に、短期間の「宿泊」や自宅への「訪問」を組み合わせ、日常生活上の支援や機能訓練を受けることができます。
認知症対応型共同生活介護
(グループホーム)
認知症の高齢者が少人数(5人〜9人)の住居に共同で生活し、入浴、排せつ、食事等の介護、その他の日常生活上の世話、機能訓練を受けることができます。
地域密着型特定施設入居者生活介護 介護保険の指定を受けた、入居定員が29人以下の有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームなどが、入居している利用者に対して、日常生活上の支援や、機能訓練などを行います。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 定員が29人以下の特別養護老人ホームに入所し、日常生活上の支援や機能訓練、療養上の世話を受けます。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 訪問介護と訪問看護が一体的にまたは密接に連携しながら、日中・夜間を通じて、定期巡回と随時の対応を行います。
看護小規模多機能型居宅介護
(複合型サービス)
小規模多機能型居宅介護に訪問看護を加え、一体的なサービスを受けることができます。

3.施設サービス

施設サービス
介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)
常に介護が必要で、自宅での生活が難しい方の入所を受け入れ、日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などを受けることができます。
介護老人保健施設(老人保健施設) 入所者に対してリハビリテーションや医療、介護などを提供し、家庭への復帰を目指します。
介護療養型医療施設
(療養型病床群等)
病状は安定していても自宅での療養生活は難しいという方が入所して、医学的管理のもとで、医療や介護、リハビリテーションなどを受けられます。
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介護保険と福祉用具「レンタル・販売対象種目」

福祉用具貸与・販売サービスは、介護保険制度の居宅サービスの一つとして位置付けられています。原則レンタル支給ですが、再利用に心理的抵抗感が伴うもの、使用により形態・品質が変化するものは「特定福祉用具」として販売対象になります。
要介護度によって使用できる種目に制限がありますのでご注意下さい。
*特例として使用が認められる場合もあります。詳しくは「軽度者に対する福祉用具レンタル」をご参照下さい。

〜福祉用具レンタルの対象種目(厚生労働省告示より抜粋)〜

種目 サービス対象者 機能又は構造等
要支援 要介護
1 2 3 4 5
車いす
自走用標準型車いす、普通型電動車いす、又は介助用標準型車いすに限る。
車いす付属品
クッション、電動補助装置等であって、車いすと一体的に使用されるものに限る。
特殊寝台
サイドレールが取り付けてあるもの、又は取り付け可能なものであって、次のいずれかの機能を有するもの。
●背部又は脚部の傾斜角度が調整できる機能
●床板の高さが無段階に調整できる機能
特殊寝台
付属品
マットレス、サイドレール等であって、特殊寝台と一体的に使用されるものに限る。
床ずれ
防止用具
次のいずれかに該当するものに限る。
●送風装置又は空気圧調整装置を備えた空気マット
●水等によって減圧による体圧分散効果をもつ全身用のマット
体位変換器
空気パッド等を身体の下に挿入することにより、居宅要介護者等の体位を容易に変換できる機能を有するものに限り、体位の保持のみを目的とするものを除く。
手すり
取付けに際し工事を伴わないものに限る。
スロープ
段差解消のためのものであって、取付けに際し工事を伴わないものに限る。
歩行器
歩行が困難な者の歩行機能を補う機能を有し、移動時に体重を支える構造を有するものであって、次のいずれかに該当するものに限る。
●車輪を有するものにあっては、体の前及び左右を囲む把手等を有するもの。
●四脚を有するものにあっては、上肢で保持して移動させることが可能なもの。
歩行補助つえ
松葉づえ、カナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ、プラットホーム・クラッチ及び多点杖に限る。
認知症老人
徘徊感知機器
認知症老人が屋外へ出ようとした時等、センサーにより感知し、家族、隣人等へ通報するもの。
移動用リフト
(つり具の部分を除く)
床走行式、固定式又は据置式であり、かつ、身体をつり上げ又は体重を支える構造を有するものであって、その構造により、自力での移動が困難な者の移動を補助する機能を有するもの(取付けに住宅の改修を伴うものを除く)。
自動排泄
処理装置
排便機能を有するもの 尿又は便が自動的に吸引されるものであり、かつ、尿や便の経路となる部分を分割することが可能な構造を有するものであって、居宅要介護者等又はその介護を行う者が容易に使用できるもの(交換可能部品(レシーバー、チューブ、タンク等のうち、尿や便の経路となるものであって、居宅要介護者等又はその介護を行う者が容易に交換できるものをいう。)を除く。)。
それ以外のもの

〜特定福祉用具販売の対象種目(厚生労働省告示より抜粋)〜

種目 機能又は構造等
腰掛便座
次のいずれかに該当するものに限ります。
●和式便器の上に置いて腰掛式に変換するもの(腰掛式に交換する場合に高さを補うものを含む。)
●洋式便器の上に置いて高さを補うもの
●電動式又はスプリング式で便座から立ち上がる際に補助できる機能を有しているもの
●便座、バケツ等からなり、移動可能である便器(水洗機能を有する便器を含み、居室において利用可能であるものに限る)。ただし、設置に要する費用については従来通り、法に基づく保険給付の対象とならないものである。
自動排泄処理装置の交換可能部品
尿又は便が自動的に吸引されるもので居宅要介護者等又はその介護を行う者が容易に使用できるもの。
入浴補助用具
入浴に際しての座位の保持、浴槽への出入り等の補助を目的とする用具であって、次のいずれかに該当するもの。
1.入浴用椅子(座面の高さが概ね35cm以上のもの又はリクライニング機能を有するもの)
2.入浴台(浴槽の縁にかけて浴槽への出入りを容易にすることができるもの)
3.浴槽用手すり(浴槽の縁を挟み込んで固定することができるもの)
4.浴室内すのこ(浴室内に置いて浴室の床の段差解消を図ることができるもの)
5.浴槽内椅子(浴槽内に置いて利用することができるもの)
6.浴槽内すのこ(浴槽の中に置いて浴槽の底面の高さを補うもの)
7.入浴用介助ベルト(居宅要介護者等の身体に直接巻き付けて使用するものであって、浴槽への出入り等を容易に介助することができるもの)
簡易浴槽
空気式又は折りたたみ式等で容易に移動できるものであって、取水又は排水のために工事を伴わないもの。
※「空気式又は折りたたみ式等で容易に移動できるもの」とは、硬質の材質であっても使用しないときに立て掛けること等により収納できるものを含むものであり、また、居室において必要があれば入浴が可能なものです。
移動用リフトの
つり具部分
身体に適合するもので、移動用リフトに連結可能なもの。
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介護保険と福祉用具「軽度者に対する福祉用具レンタル」

軽度者(要支援1・2、要介護1、自動排泄処理装置(尿のみを自動的に吸引する機能のものを除く)における軽度者は要介護2・3の者も含む)の方は、車いす(付属品含む)、特殊寝台(付属品含む)、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊感知器、移動用リフト、自動排泄処理装置(尿のみを自動的に吸引する機能のものを除く)の利用は原則認められていません。しかし、一定の条件に該当する方は、例外的に利用が認められます。

〜対象外種目のレンタルが認められる方の状態とその判断(厚生労働省告示より抜粋)〜

種目 機能又は構造等
車いす及び
車いす付属品
1.日常的に歩行が困難な人
 (要介護認定時の基本調査で、歩行ができないとされた人) 又は
2.日常生活範囲における移動の支援が特に必要と認められる人
特殊寝台及び
特殊寝台付属品
1.日常的に起き上がりが困難な人
  (要介護認定時の基本調査で、起き上がりが出来ないとされた人) 又は
2.日常的に寝返りが困難な人
 (要介護認定時の基本調査で、寝返りができないとされた人)
床ずれ防止用具
及び体位変換器
日常的に寝返りが困難な人
(要介護認定時の基本調査で、寝返りができないとされた人)
認知症老人徘徊感知機器
1.意思の伝達、介護者への反応、記憶・理解のいずれかに支障がある人
 (要介護認定時の基本調査で、それらが「できない」などとされた人) 且つ
2.移動において全介助を必要としない人
 (要介護認定時の基本調査で、移動が「全介助」以外とされた人)
移動用リフト
(つり具の部分除く)
1.日常的に立ち上がりが困難な人
 (要介護認定時の基本調査で、立ち上がりができないとされた人) 又は
2.移乗が一部介助又は全介助を必要とする人
 (要介護認定時の基本調査で、移乗が「一部介助」又は「全介助」とされた人) 又は
3.生活環境において、段差の解消が必要と認められる人
自動排泄処理装置
(尿のみを自動的に吸引する機能のものを除く)
1.排便が全介助を必要とする人
 (要介護認定時の基本調査で、排便が「全介助」とされた人)且つ
2. 移乗が全介助を必要とする人
 (要介護認定時の基本調査で、移乗が「全介助」とされた人)

平成19年4月より、上記例外に加えて次のような方も利用が認められるようになりました。
○福祉用具が必要となる主な事例内容(概略)

1、「医師の意見(医学的な所見)」に基づき判断され、

2、サービス担当者会議等を経た適切なケアマネジメント結果を踏まえていることを

3、市町村が「確認」していること。


○例外給付の対象とすべき事案

T.疾病その他の原因により、状態が変動しやすく、日よって又は時間帯によって、頻繁に95号告示第79号において準用する第25号のイに該当する者(例 パーキンソン病の治療薬によるON・OFF現象)

U.疾病その他の原因により、状態が急速に悪化し、短期間のうちに95号告示第79号において準用する第25号のイに該当することが確実に見込まれる者(例 がん末期の急速な状態悪化)

V.疾病その他の原因により、身体への重大な危険性又は症状の重篤化の回避等医学的判断から95号告示第79号において準用する第25号のイに該当すると判断できる者(例 ぜんそく発作等による呼吸不全、心疾患による心不全、嚥下障害による誤嚥性肺炎の回避)

*「95号告示第79号において準用する第25号のイに該当する者」とは、上記「対象外種目のレンタルが認められる方の状態とその判断」に当てはまる人を指します。
*詳細は各市町村にお問合せ下さい。

〜新たに例外利用が認められた事例類型〜

*以下はあくまでも例であり、確認申請に際しては、医学的な所見によって利用者が該当する状態像(上記I〜III)を判断します。
  必要となる福祉用具 事例内容(概略)
T
状態の
変化
・特殊寝台 パーキンソン病で、内服加療中に急激な症状・症候の軽快・増悪を起こす現象(ON・OFF現象)が頻繁に起き、日によって、告示で定める福祉用具が必要な状態となる。
・床ずれ防止用具
・体位変換器
・移動用リフト
・特殊寝台 重度の関節リウマチで、関節のこわばりが朝方に強くなり、時間帯によって、告示で定める福祉用具が必要な状態となる。
・床ずれ防止用具
・体位変換器
・移動用リフト
U
急性増悪
・特殊寝台 末期がんで、認定調査時は何とか自立していても、急激に状態が悪化し、短期間で告示で定める福祉用具が必要な状態となる。
・床ずれ防止用具
・体位変換器
・移動用リフト
V
医師禁忌
・特殊寝台 重度の喘息発作で、特殊寝台の利用により、一定の角度に上体を起こすことで、呼吸不全の危険性を回避する必要がある。特殊寝台の必要性を医師からも指示されている。
・特殊寝台 重度の心疾患で、特殊寝台の利用により、急激な動きをとらないようにし、心不全発作の危険性を回避する必要がある。特殊寝台の必要性を医師からも指示されている。
・特殊寝台 重度の逆流性食道炎(嚥下障害)で、特殊寝台の利用により、一定の角度に上体を起こすことで、誤嚥性肺炎の危険性を回避する必要がある。特殊寝台の必要性を医師からも指示されている。
・床ずれ防止用具 脊髄損傷による下半身麻痺で、床ずれ発生リスクが高く、床ずれ防止用具の利用により、床ずれの危険性を回避する必要がある。床ずれ防止用具の必要性を医師からも指示されている。
・体位変換器
・移動用リフト 人工股関節の術後で、移動用リフトにより、立ち座りの際の脱臼の危険性を回避する必要がある。移動用リフトの必要性を医師からも指示されている。
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福祉用具に新たな種目が追加されました。

自動制御等の機能が付加された歩行器が、介護保険の給付対象となる福祉用具(レンタル)に新たに追加されました。
  • 自動制御等機能付き歩行器 福祉用具(レンタル)

    「歩行器」の範囲に、自動制御等の機能が付いた歩行器が追加されました。

介護保険の給付対象となる福祉用具及び住宅改修の取扱いについて

*平成12年1月31日老企第34号厚生省老人保健福祉局企画課長通知(変更点は下線部)
改正案
第一 福祉用具
1 厚生労働大臣が定める福祉用具貸与及び介護予防福祉用具貸与に係る福祉用具の種目
(1)〜(8) (略)
(9) 歩行器
 貸与告示第九項に規定する「把手等」とは、手で握る又は肘を載せるためのフレーム、ハンドグリップ類をいい、「体の前及び左右を囲む把手等を有する」とは、これらの把手等を体の前及び体の左右の両方のいずれにも有することをいう。ただし、体の前の把手等については、必ずしも手で握る又は肘を載せる機能を有する必要はなく、左右の把手等を連結するためのフレーム類でも差し支えない。また、把手の長さについては、要介護者等の身体の状況等により異なるものでありその長さは問わない。
 なお、上り坂ではアシスト、下り坂では制動、坂道の横断では片流れ防止及びつまずき等による急発進防止の機能(自動制御等の機能)が付加されたものであって、左右のフレームとこれを連結する中央部のパイプからなり、四輪又はそれ以上の車輪を有し、うち二つ以上の車輪について自動制御等が可能であるものを含む。
(10)〜(13) (略)
2 (略)
第二(略)
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