コーディネーター 白澤政和氏
大阪市立大学大学院生活科学部教授。日本在宅ケア学会理事、日本ケアマネジメント学会理事など公職等も多数務める
「個別援助計画書標準様式と必ず対で使用するもの」(東畠氏)が前提となっているこのモニタリングシートは、じつに効率的なつくりになっている。利用者の基本情報については、個別援助計画書の基本部分に記入欄があるので、モニタリングシートではかなり省略してある。主に“日常生活の中の福祉用具”という観点で利用目標を検証できるよう、変化の有無、利用してみてどうであったか、新たなニーズの発生などについてチェック、記入していく。モニタリングの結果、必要ならば再アセスメント、個別援助計画書の再作成となるので、アセスメント項目は設けていない。
ここで特に注目したい項目は“変化”である。“身体状況” “生活状況” “お気持ち” “ご家族の状況”について、変化の有無およびその内容を記載していく。
岩元文雄氏
(株)カクイックスウィング代表取締役社長
「福祉用具の貸与には“変化”がつきもの。ご利用者さんの状況の変化、用具自体の物質的な変化。以前から、福祉用具貸与については、貸しっぱなしでいいわけがないよね、といってはいました。いわゆるアフターサービス、アフターメンテナンスを含めたフォロー体制について問題意識はあったのです」とは、福祉用具の営業や福祉用専門相談員として現場を経験してきた岩元氏。導入した福祉用具がきちんと使えているか、については担当者として当然気をつけなければいけないところだが、利用者の状態、気持ちなども考慮にいれて、現場でのジャッジをくだす、それが福祉用具専門相談員が行うモニタリングなのである。
「福祉用具専門相談員は単なる福祉用具の運び屋ではありません。きちんとモニタリングをして継続的にサービスを提供する、介護サービス事業者として重要な役割を担っているのです」(白澤氏)