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講習会等
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協会の活動を業界スタンダードに! “制度”を牽引する専門家集団の地位確立に向けて
6月15日、弘済会館(東京都千代田区)において、平成22年度定期総会が開催された(会員数1528中、出席50委任状1079)。同日記者会見も行われた22年度の事業計画には、会員である福祉用具専門相談員のスキルアップ等のみならず、業界あるいは介護保険制度そのものの、在り方・内容に大きく影響する展開がうかがわれた。
 
新年度事業計画〜着々と進む組織・システムづくり〜
 
平成22年度秋、一般社団法人に
会場の様子賛助会員を含めた出席者を前に:山下会長 受付の様子

協会の設立から3年が経過した。研究事業や教育事業など、その活動内容が多岐にわたり、規模も拡大しつつある中、浮上してきたのが「任意団体であることで制約を受けることが増えた」(事務局長山本氏)という事実である。公的な事業に手をあげる場合でも、実態・実力がどうこうではなく、任意団体であることが、まず足かせとなってしまうのだ。そこで“ふくせん”では法人格取得に乗り出した。準備、手続き等は順調に進んでおり、平成22年10月1日「福祉用具の日」での発表を予定している。

 
世田谷区の訪問調査事業を受託

総会では、世田谷区(東京都)の委託事業として行っている「福祉用具販売に係る訪問調査」の実施状況について報告された。同区が行う平成22年度の介護保険適正化事業に、会員である福祉用具専門相談員を調査員として派遣、助言や指摘を行う。調査内容は、区職員、ケアマネジャー、サービス事業者と一緒に特定福祉用具の購入者宅を訪問し、利用状況を調査・確認したうえで、助言や指摘を行うというもの。対象は、利用者や家族、担当のケアマネジャー、販売担当者だ。単に福祉用具の利用状況を確認するだけでなく、自立支援の観点からの適切な判断・アドバイスが必要となるため、福祉用具についての「専門性」が求められ、専門職としての「質」が問われる事業である。

山下会長コメント
山下会長 今回の世田谷区のように、行政が行う“サービスの質の向上を目指す取り組み”に参加することは、福祉用具専門相談員の専門性の確立につながります。また、ケアマネジャーとの連携を強化することは、適切な福祉用具の利用促進、サービスの質の向上に寄与することとなります。すでに実施済みの分も数件ありますが、調査員の仕事内容については高い評価をいただいています。今後は、他の地域や自治体等にも波及するよう、積極的にはたらきかけていきましょう。
 
ふくせん様式「福祉用具個別援助計画書」「モニタリングシート」を改良・強化 → 業務における“必然”に
(1)「福祉用具個別援助計画」推進委員会の開催

21年4月の発表以来、会員を中心とした現場から、また多方面から反響が集まっている「福祉用具個別援助計画書・標準様式」。書式としての機能向上を目的とした検討を行い、より現場に即した、利便性の高い様式へと改良を加える。2年目をむかえる今期は、研修方法や教材の開発、研修リーダーの養成を含めた普及啓発を積極的に行っていく。

(2)「モニタリングシート」開発研究委員会の設置・開催

22年4月発表後の利用実態調査の結果をもとに、改良等について検討する。福祉用具個別援助計画書(以下「個別援助計画書」)とともに、より「現場で役立つ」「利用者にわかりやすい」ものを目指し、普及啓発を推進する。

また、福祉用具使用における軽微な事故等の情報をもとに、メーカーへの提言を行うとともに、専門相談員が日常業務に利用できる使用マニュアル(介護ベッドに特化)を作成する。

(3)福祉医療機構の補助事業「福祉用具に関する実態調査」を実施

(独)福祉医療機構の助成金を受け、「福祉用具個別援助計画に関する実態調査」を実施する。会員を対象とした「個別援助計画書」「モニタリングシート」の使用実態等の把握を行うアンケート調査方式。その集計結果をもとに製造事業者への提言を行うほか、個別援助計画書・モニタリングシートの改良、介護ベッド使用マニュアルの制作を進める。

◆特別講演◆
介護保険制度をめぐる諸課題と地域包括ケアの推進について
厚生労働省老健局振興課長 土生栄二氏
■今後さらに大きくなる“高齢者像”の変化

新しい話題といえば、「団塊の世代」の高齢化に伴う諸問題があります。これは、これからの高齢者対策を考えるうえでの前提条件といえるでしょう。従来の高齢者像との違いは、社会から「守られる存在」としてだけではなく、社会の活性化を担う期待対象ととらえられるということです。

とはいっても介護保険の総費用の増加傾向は続いています。平成22年度は予算ベースで7・9兆円。この10年で2倍以上の伸び(平成12年度3・6兆円)をみせています。財源の確保とともに、各種サービスについての予算配分の仕方が、直近の大きな課題だといえるでしょう。

■地域ケアの充実には何が必要か

6月に就任したばかりの菅首相も、地域包括ケアシステムの充実や予防介護については、その重要性を認める旨のコメントをだしています。地域包括支援センターをみると、平成20年4月末時点で約4000カ所という実績があがっています。

「地域包括ケア充実への取り組み・4つの視点」は、次のとおりです。
①医療との連携強化
②介護サービスの充実・強化
③多様な生活支援サービスの確保や権利擁護サービスの推進
④高齢者住宅の整備(国土交通省との連携)

■“福祉用具”が果たす役割と期待

高齢者専用賃貸住宅と生活支援拠点の一体的整備、 持ち家のバリアフリー化の推進が急務とされていますが、住宅整備・供給を含めた“住環境の整備”では、福祉用具が重要なカギです。適切な導入、安全な使用について、福祉用具業界および福祉用具専門相談員の活躍に期待しています。

市川 洌氏「福祉用具の使用現場に、福祉用具専門相談員が直接関わることができるようなシステムを」という山下会長の要望に対し「国としてシステムづくりをし、自治体をリードするよう検討したい」と語る土生氏
 
さらなる充実と活動領域の拡大が専門性を高め社会的地位を確立する

続いて行われた記者会見では、出席した理事ら首脳陣より、「本会が進める個別援助計画やモニタリング等のサービスの質や体制が業界の常識となるように」など新年度の抱負や決意が語られた。

山下会長コメント
世田谷区の受託事業の例でも明らかなように、本会の活動内容については、行政からの期待も高い。福祉用具専門相談員それぞれのスキルアップもさることながら、その受け皿としての組織づくりが急務といえます。会員拡大も含めた、組織の充実に努めます。

編集協力:(株)東京コア

 
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